2018/01/18 14:10
最近ではインダストリアルなインテリアに注目が集まっており、アイアン家具もよく見かけるようになってきました。
元々日本では家具と言えばすべて木で作られた物が多かったように思います。
木脚に比べて鉄脚の魅力はなんと言ってもスマートでスタイリッシュ!
鉄製の脚に天板を付けるだけでとてもオシャレに見えます。
カフェ風インテリアにもピッタリです。
〇鉄脚の仕様
当工場のテーブルの鉄脚は六角レンチでの組み立て式で取り外し可能となっています。
これは高額になりがちな家具の運送費を少しでも抑えるためと、
脚を付け替えることでダイニングテーブルからローテーブルなどに高さを変えられるようにするためです。
上の写真のように天板に座金を取り付けることで何度でも取り外し可能となっています。
多くの鉄脚テーブルは鉄脚を天板に直接ビスで打ち付けてしまうため何度も外したり強い衝撃を受けると
ビス穴が緩くなってしまう可能性があります。
永く使って頂けるよう十分な強度を確保しました。
〇鉄脚の仕上げ
仕上げは黒皮仕上げに拘っています。
黒皮とは、鉄を1000℃ほどまで熱すると空気中の酸素と結合し黒い皮膜を形成します。
いわゆる黒錆と言われるものですが、黒錆で表面を覆うことで内部への腐食を防ぐ効果があります。
この黒皮は実はあまり強度がありません。
鉄材を成形する過程で自然発生するものなので、鉄材との密着が弱く凹凸があったり鉄材との間に隙間が出来たりするためです。
衝撃や劣化により皮膜が剥がれるとそこから赤錆が発生してしまいます。
この皮膜こそが逆に鉄本来の傷や凹凸、色や素材感と言った黒皮仕上げの魅力なのです。
アイアン家具には欠かせない青黒色であり、草木染め同様これも鉄そのものの色です。
当工場では黒皮保護のため黒皮+ウレタンクリアにて仕上げております。
〇塗装について
「草木染めについて」のブログで触れていますが、当工場の家具は「自然であること」というテーマがあります。
これは生活に身近な家具の安全性を重視してのものですが、この鉄脚にのみ自然素材ではないウレタンクリア塗装が施されています。
ウレタン塗装は多くの木製製品や車の塗装などでよく使用されているもので、大きな害となるものではありません。
揮発性の有機溶剤(シンナー)を含みますが完全に乾燥してしまえば危険はありません。
自然素材でのみ作る家具を目指しましたが、「金属アレルギー」という問題点もありました。
この金属アレルギーに対しての配慮を優先するため、ウレタン塗装を選択するに至りました。
常に金属に触れるわけではないので大きな害はないと考えられますが、比較的多いアレルギーのため
安心してお使い頂けるようウレタンクリア塗装仕上げとなっております。